------ 人間の赤子と、鬼ヶ島に住む鬼との、 端から見ると奇妙な共同生活が始まりました。 自分の顔を見る度に大泣きをする赤子に紫鬼は心を痛めました。 自分の着る物を破いて縫って、 赤子にはかせる下着をこしらえました。 前途多難なこの生活でしたが次第に、 鬼に怖がる赤子、 人間に慣れていない鬼。 日数を重ねる度、 どことなく両者は心を通わせるようになりました。