「先輩、何なんですかサンタって!
こんなんだから世間はサンタなんかいないって言うんですよ!
夢なんてあったもんじゃない・・。
僕ら意味ないじゃないですか!!」
マキオの訴えに、
今まで二日酔いの、
かったるそうな表情をしていたジョーの顔つきが変わった。
「バカ野郎。
でけぇ声出すんじゃねぇ。
てめぇ資料ちゃんと読んだのか?
いいか。
さっきの一輪車の子も、
最初の男の子も
2人共母子家庭の子供だ。
みんながみんな親がいるわけじゃねぇんだぞ。
そういう子供達に親の代わりとなってプレゼントを渡すのが俺達サンタの仕事なんだよ。
その家庭にどんな事情があるかなんて知ったこっちゃねぇ。
だけど子供に罪はねぇんだ。
俺達サンタはいつでも子供の味方だ。」