「・・・・・船の上でお前達鬼の襲撃にあった父上と母上が、

死ぬ間際に桃に私を入れて海へと放ってくれた。

それを拾った心優しきお爺様とお婆様が、

桃から生まれた男としてこの名を授けて下さった。」



「・・・・・・・・・・・・・・・。」



「私は、お前達鬼によって両親を奪われた。

そして父上と母上が最後の力を込めて私を桃に閉じてくれていなかったら、

赤子だった私もお前達に殺されていた。」



「・・・・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・。」


「・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・。」


「・・・・・・・・・そうだったか。」



「・・・・・・・何故泣く?
命乞いはしないのではなかったのか?」



「・・・・桃太郎・・・。
・・・よい名だな・・。」