「だが、こちらにも策がある。」



“ピューーーー!”


桃太郎は自らの指を口にくわえ、
大きな笛の音を出しました。


するとどこからともなく、美しい羽を纏った雉がはるか上空に現れ、そのまま船へと急降下してきました。



「・・・・お待ちしており申した。」


「・・約束のきび団子だ。」


桃太郎は腰に付けていたきび団子を1つ、雉に渡します。



「桃太郎・・・・こいつは?」


犬にとっては初対面の雉に向かい、少し警戒の唸り声を出します。


「安心しろ。こいつも古い付き合いだ。」


桃太郎の言葉と共に、
きび団子を食べ終えた雉が犬を見ます。


「昔、村の山猟師達が仕掛けた罠に捕らえられていた所を桃太郎様に助けて頂きました。

それ以来、なにかあれば空から桃太郎様の手助けをしておりましたが・・

この度の鬼征伐・・。

桃太郎様に救ってもらったこの命。
喜んでお預け致します。」