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漁港に着いた桃太郎と犬は、
停泊してあった一艘の船に乗り込みました。
かつて桃太郎の本当の父親が率いていた漁師船団の漁船。
この村で一番耐久力のある、立派な船でした。
「桃太郎・・。
しかしどうやってあの島に近づく。」
犬が遙か遠くに浮かぶ鬼ヶ島を見つめます。
「かつて多くの漁師達が犠牲になったように、
奴らは石轍をまるで鉄砲の弾のようにこちらに飛ばしてくる。
恐らく、見張りの鬼が海一帯を見張っているのであろう。」
「・・・確かに、上陸するだけでも命がけだな。」
桃太郎は、そう犬に告げると船を発進させました。



