「もう帰ってくれ。顔も見たくない」

気がつけば、激昂していた。

「で、でも…」

「今すぐ俺の前から消えろ!」


もう、どうでもよかった。
嫌われても、怖がられても、美羽を自由にできるなら。
それさえ叶うなら、俺は非道になれる。

美羽は、毎日のようにお見舞いに来てくれていた。
俺が美羽のことをずっと縛っていたんだ。
だから、もう解放してやりたい。
すごく偉そうな言い方に聞こえるけど。






美羽が出ていったあとの病室は、いつになく静かだった。