「学校行かないって、どういうことだよ!」
突然の不登校宣言に、気づけば声を荒らげていた。
「だーかーらぁ!もう陵には時間がないって、そう言いたいんでしょ?…受け入れたくないけどさ、それなら1日でも多く陵と一緒にいたい。だから──」
「なんで…!」
美羽が話しているのなんてお構い無しに、俺は怒鳴る。
「なんで…!なんで、美羽…もう俺に関わらないでくれっ!」
「…大丈夫?」
「大丈夫なわけねぇだろ!もうすぐ死ぬ奴に『大丈夫?』とか、馬鹿じゃねぇの!?」
「陵…」
あぁ俺、何言ってんだろ?
「鬱陶しいんだよ!毎日毎日お見舞いだァ?くどいっつーの」
“一緒にいたい”
そう言ってくれて、嬉しいはずなのに…
口からついて出るのは、馬鹿みたいな暴言ばっかで嫌になる。
「ずっと思ってたんだよ。そろそろ潮時かもな…って」
いや……これは俺の意思か?
「だからさ、美羽…」
そうか。
もう死ぬ俺にできることは、美羽を解放にすること。
自由にすること。
きっと。それだけだ。
「俺と、別れてください」



