「お子さんは、長くてあと2ヶ月といったところです」

「いつ容体が急変してもおかしくない」

俺のこと、いつも気にかけてくれた三嶋先生の声。
彼の表情は蛍光灯の反射が邪魔して、よく分からない。
まぁ、険しい目つきをしていることぐらい、容易に想像できるけど…
見慣れた診察室が、無機質な空間に見えてくる。
視界が回る。



もう…限界だった。


思わず、その場から逃げ出した。

怖かった。
俺、死ぬんだ。

きっと、俺には教えてくれないんだろうな。
余命のことも、病状のことも。