ふと、空を見上げた。
雲ひとつない快晴。
と、まではいかないけど、いい天気。
吹く風もなんだか心地よい。
ついこの前まで咲き誇っていたピンク色も儚げに散り、葉桜と化していた。
その場所は、私の家から約300mの所に位置する。
角を2度曲がって、後はまっすぐ進むだけ。
ねぇ、陵。
私、今でも君のことを忘れられないんだ。
そう言ったら、君は怒るかな…?
でもね、私は君に縛られてるわけじゃない。
過去に囚われているでもないんだ。
ちゃんと前を見てる。
大丈夫だよ。
踏みなれない砂利の上を歩き、君と向き合う。
そっと花を添えて、手を合わせる。
何度来ようとも、君に伝えたいことはひとつだけ。