あと、もう少しだけ…


「本当は嘘ついて逃げる気だった。
それが1番いいって、本気で信じてた。
でも、結局自分のことしか考えてなかったんだよな…」

止まらない堤防(涙専用)の決壊に、自嘲気味な薄ら笑いをうかべて、眼を擦る。

「だから、さ。美羽に決めて欲しい」

「え?」

「俺は…どうすればいい?」

戸惑う美羽にゆっくり、語りかける。


「今すぐここから出ていく、とか」

彼女は首を横に振った。

「ひっどい捨て台詞吐いて、2度と姿見せない、とか」

彼女は、さっきよりいっそう強く首を振る。


「責任を押しつけるみたいでごめんな。美羽が悲しむようなことはしたくないんだ、絶対……だから、教えてほしい」

色白な彼女の頬に一筋の線がきらめく。



「俺は…どうすればいい?」