俺の表情から悟ったのか、美羽の母親は穏やかに笑った。 『今は意識も戻って、会話できるぐらいにはなったわ。しばらくは入院って言われたけれどね』 ホッとしてため息が漏れる。 「…よかった」 ふと美羽の笑顔が頭をよぎる。 俺が愚痴をこぼしても、いつも笑顔で聞いてくれて、 それどころか励ましてさえくれて、 俺は、ずっと美羽に救われていたんだ。