「先生!!ちぃが捕まったよ!!」

はぁちゃんの電話に、職員室だということも忘れて立ち上がってしまった。

俺の異変に、樹も直ぐに立ち上がり職員室を後にする。

「何処で?!どんな様子だ!!」

取り乱して怒鳴る俺から携帯を取り上げ

「遥、大丈夫?
ちぃちゃんは何処にいるの?一緒??
和君は興奮が治まったら向かわせる。
…………佐伯市民病院?…………うん、分かった。
じゃあ、後で………ちぃちゃんの事………お願いします。」

………………佐伯市民病院??

何処………悪いのか??

樹から携帯を奪おうとして…………殴られた。

………痛ぇ………。

電話を終えた樹に、事情を話せとせがむと

「……………和君、ちょっと冷静になろうか?
ちぃちゃんは大丈夫だから。
そんな顔で逢いにはいけないよ……………。」

……………………………………………。

樹の言葉に冷静さを取り戻した。

「悪い。」

俺の顔をマジマジと眺め…………

「ヨシ!大丈夫だね。
和君………ちぃちゃんの事になると可愛いね!
はぁちゃん…………怯えてたよ。
ちぃちゃんに逢った時も、今のように冷静でいてね。」

「あぁ。
はぁちゃんにも謝らないとな………。」

「遥は………和君の気持ちが分かってるから大丈夫だよ。
聞いたことを話すから…………数学準備室に行こうか?」