パチパチ肉の焼ける音。

コーラとカルピス、酎ハイで乾杯をして各自好きに食べる。

はぁちゃんに肉や魚介を取ってあげる樹を見て

『俺は相変わらずダメだなぁ』と反省してたら…………

「はい、どうぞ。」と

これまた気のつく彼女が、コーラを注いでくれる。

千尋は良い奥さんになるよなぁ~

ボトッ!

「うわぁ!冷て!!」

コーラを落とした尋が真っ赤な顔で慌ててる。

あれっ?

俺………声に出してた??

「和君、天然。」

「普段甘いことを言わない人の、正直な心の声って………
ちぃじゃなくてもドキドキする~」

ウエットティッシュ片手に、一生懸命拭く彼女の顔は赤いままだ。

どうせ呟いたのなら…………

「でもホントにそう思う………。
初めは、尋を一人にしたくない。
側に置いて見守りたいと思ったけど…
今じゃ、俺が尋と一緒に居たいんだもんなぁ。
結婚して子供が出来て………って未来ばかりが浮かぶ。」

「そうそう。
さっきもはぁちゃんと二人で買い物してる姿を見て
二人はずっと友達だろうから、お腹の大きな二人や
子供を抱いてる二人を見て行くんだなぁって言ってた。」

ゲッ!それも呟いたのかぁ。

「でもいいなぁ。
ちぃは、呼び方にこだわったり………将来を考えてもらって。
ちょっと羨ましい。」

少し涙声になったはぁちゃん。

焦る樹に心で

アホ!焦れ、焦れ。とバラされた恨みを晴らす。

まさか、尋とはぁちゃんのカルピスって……

酎ハイじゃないよなぁ??

急に涙ぐむはぁちゃんに、俺まで焦り始めた頃。

「樹先生…………はぁちゃんは、時々ウチで愚痴ってます。
不安になるみたい。
先生がモテることは、知ってるし……仕方ない事だって諦めてるけど……
やっぱり面白くないもん。
それに、将来だって………
先生みたいにハッキリ『結婚しよう』って言われないから………
『結婚したいね~』だと……色々な人に言ってないかって……。」

「そっかぁ、高校生の二人には……和君の方が誠実にうつるよなぁ。
はぁちゃん、だったら『遥』って俺は呼ぶ。
後、結婚は………
俺のウチが金持ちだってのは、分かるでしょう?
長男じゃないから……それ程大変じゃないけど……
たぶん、普通のお家よりはやらないといけないことがいっぱいあって………
不便かな?って思う。
だから、出来る間は自由に過ごさせてあげたいんだよね。
まだ高校生だし。
もっと大人になってから……ウチのことをちゃんと話して………
遥に決心して貰おうって思ってたんだ。」

樹の以外な真面目さに…………俺も含めて感動した。