「マスクは二重だぞ。
寝るから………相手出来ない。
ご飯は……お粥とプリン。」

「うん!約束。」

クリスマスの約束を守れなかった俺に

新しい約束を、笑顔でしてくれる千尋。

できた彼女だ。

キスしたい衝動をグッと堪えて「おやすみ」と布団に潜る。

バタンとドアの閉まる音の少し手前で、パタパタと足音が聞こえた。

どれだけ焦ってプリンを買いに出掛けるつもりだ。

ありがたいと思う反面、また少しの罪悪感が俺を苦しめる。

せめて、クリスマスくらい頑張ったご褒美にしたかったのに……。

千尋が良い子な分…………辛い。