「……お前、急に変じゃない?」

疑うように変わる視線に、どうにか平然を装って笑う。

「勝手に帰ったりしないのでご安心を」

「どうかな。この前も起きたらいなかったし」

「本当に、今回は大丈夫です!私、今日はここで椿社長とご飯を食べるって決めてるんですから!」

「だったら一緒に寝ろ」

「へ?」

「お前も寝ろ。それで起きてから作ればいい」

そう言った男が立ち上がり、私に手を差し伸べる。

「あの、でも、それだと夕飯が遅くなりますよ?」

「別にいい」

「でも、」

どうせまた何もしないんでしょう?

私だけドキドキして、椿社長は一人だけ平気な顔で眠っちゃって、それってすごく寂しくて虚しくて……。

「この前お前が泊まった夜、久しぶりに良く眠れたんだ」

「……え?」

「芙美が隣にいると、不思議と寝心地が良い。だからまずは一緒に昼寝。眠くないなら俺の隣りに居るだけでいいし。夕飯は、俺も作るの手伝うから」

「そんなの、ずるいです」