「次って」

「今度は他の男を誘うなよ?」

「勝手に決めないでください。どうして私が、またここに来ないといけないんですか?」

あんな写真飾っているくせに、その部屋に私を呼ぶ?
確かにキスはしたけれど、帰りたくないとか思っちゃったけど、それでも流石に、あんな風に恋人と笑う写真を見せられて、平気でまた会いに来るほどバカじゃない。
それなのに、

「俺が会いたいから」

「意味、わかんない」

「俺が芙美に会いたいの」

こんな風に誘うこの男は、ずるくて酷い。
近づいてきた唇を、拒めないこともわかっていて、椿王子は私にまたキスをした。触れるだけの優しいキスを。

「金曜日、仕事終わったら連絡しろよ?」

その言葉に頷いた私は、どうしようもなく馬鹿だ。


写真は、見なかったことにしてしまいたい。

今すぐに。