「母親が違うんだ。でも確かに血が繋がっている妹。信じられないなら戸籍を見せようか?」
呆れたりするわけでもなく、ただ優しい口調で話す椿社長を見ていたら、渦巻いていた感情が堪えきれなくなった。涙が溢れ出た。
「……嘘」
「そんな面倒な嘘を吐くと思うか?」
「でも、」
「まだ不満?」
「それなら椿社長は、私のことをどう思ってるんですか?」
私だけを映す瞳。
吸い込まれてしまいそうで怖くもなる。
だけどその先を、知りたい。
「知りたい?」
「はい……知りたいです」
この男の正体を。
この感情の正体を。
この関係の辿る未来を。
「できれば俺のマンションに監禁したいな」
「監禁?」
眉を顰めた私の耳元に唇が近づいて、言葉が甘く囁かれる瞬間。
「芙美が好きだ。こんなにも」

