「え、なんで今、笑うところですか?」

「悪い。お前があまりにもバカで可愛いから」

「なっ、私は真剣に!」

「ああ、わかってる。でも、姫子のことはどうしようもない。写真もあるし一緒にも出掛ける。頼まれれば家に泊めることもある。当たり前だ。あれは俺の妹だからな」

躊躇うこともなく私に伸ばされる手。

「本当に可愛いな芙美は」と続けた男の手が、楽しそうに私の髪を撫でる。
だけど私は、少しも想像していなかった事態に呆気に取られて、言葉がすぐには出てこなかった。
だって、妹って、家族ってことで、だったら私がずっと悩んで来たことって……。

「……妹さん」

「そうそう。他に何か質問は?」

「妹って、でも!」

「ん?」

確かにすごく綺麗な子で、お人形さんとか、映画の中のお姫様みたいな……。

「でもあの子、ハーフですよね!?」

そう。私が見た「姫子」はどう考えてもハーフだ。
純日本人の椿社長と兄妹なんて……。