そわそわ。そわそわ。
まだかな。まだかな。
とけいは、みじかいはりが3から4になっているからえぇっと…
うぅーん…そうだ!4じ!4じになったんだ!
ぼく、どあのまえで、いっぱいまったのになぁ…
いいこでまったのになぁ…
おかあさんはいつ、おとうとといもうとをつれてくるのかな。
うぅ…はやくおにいちゃんになりたいよぉ!

がちゃり。

あ!
「おかあさんおかえり!ねぇねぇ、おとうとは?いもうとは?」
「ただいま。由宇。そんなに急がなくても弟も妹も逃げないよ」
「だって!ぼく、はやくおにいちゃんになりたかったから、ここでずーっとずぅぅぅぅぅぅっとまったんだもん!」
「わかった。わかったから由宇はテレビの部屋で待っててね」
「はーい!」
てれびのへや!いそがないと!おにいちゃんになれない!
「おかあさーん!ついたよ!はやくー!」
ん?おかあさんとちがうこえがきこえる…おとうとかな?いもうとかなっ?
でもまっててっていわれたからまってなきゃ。おにいちゃんだもん。それぐらいらくしょー!
あ!おかあさんがきた!
…あと、となりにいるおんなのひとはだれだろう?
このひとがいもうと…?ちがうよね。いもうとはぼくよりちいさいんだもん。
「君が由宇君だね。私は由宇の弟さんと妹さんの先生よ。由宇君、これからいっぱいお兄さん頑張れる?」
「うん!いーっぱいなかよくする!」
「そう!先生安心したわ!じゃあ約束ね」
「やくそく!」
せんせいとゆびきりげんまん。ぼくちゃんとやくそくまもれるよ。
「由宇。紹介するわね。この子は隼斗と陸斗。お顔がそっくりだけど、ちゃんと覚えてね。今は緑の服が隼斗で青の服が陸斗」
かおがそっくりかふたりのおとこのこ。ぼくとあんまりおおきさがかわらないから…ぼく6さいだから…6さいか5さいかな?
「この子は早百合。大きい方の妹」
きいろのふくをきた、かわいいおんなのこ。
かわいい!すっごくかわいい!ももぐみのあやかちゃんよりかわいいかも!
このこはもっとちいさいから1さいかな?
「最後に…この子は陽向。小さい方の妹」
わぁ!ちっちゃい!かわいい!
さゆりちゃん…あ。ぼくおにいちゃんだからちゃんっていわなくていいんだった!えへへ。
さゆりとおなじぐらいかわいい!
ちっちゃい…このこは0さい…?それとも100さい???
「皆!この子は皆のお兄ちゃん、由宇お兄ちゃんだよ」
「ぼく、おにいちゃんだよ!なかよくしようね!」
「おにいちゃん?」
「そう!ぼくおにいちゃんだよ!」
「おにいちゃんっ!」
わわっ!さゆりにぎゅーされた!
「おにいちゃん…おにいちゃんだぁ…」
えっと…こういうの、おにいちゃんはどうすればいいんだっけ…
そうだ!
「なでなで~」
「えへへ~」
なでなでしたら、さゆりがもっとかわいくなった。
「「おにいちゃん…」」
「うん!はやと、りくと!おにいちゃんだよ!」
「ぼくたちとおにごっこしてくれる?」
「するする!」
「ぼーるあそびも?」
「やろう!」
「「わーい!おにいちゃんすっげー!」」
もちろん!おにいちゃんだもん!
ふふ。ぜったいまけないようにれんしゅうしなきゃ!
…ん?あしになにかいる…?
「あー!ひなた!」
「にぃにぃ!にぃにぃ!」
にぃにぃって…おにいちゃんってことかな?
ぼくのあしにぎゅーしてるひなたかわいい!
ぼく…ほんとうにみんなのおにいちゃんになったんだ!
きょうからおにいちゃん、がんばるぞー!おー!