たくさん歩いた。そしてたどり着いたのは公園。
ブランコに腰掛けて、すでに暗くなった空を見上げる。
色々とあったせいか、頭が混乱している。
落ち着いて深呼吸をして、目を閉じる。
少しずつ、絡まった紐を解いていくように情報を呑み込んでいく。
そして少し経ってから、目を開く。
思ったことは一つ。

自由だ

でも、嬉しいとかそういう感情はない。
相も変わらず「無」だった。
ふと、口ずさんでみた。

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孤独の闇に
飲まれないで
そう叫んでも
もう届かないの?
気付いてほしい
あなたを愛している者のことを
でもこの声も届かない
闇に飲まれて消えていくんだ
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時々作詞作曲みたいな感じで歌を作って歌ってみることがある。
歌っていると自分の中のぐちゃぐちゃしたものが落ち着く気がするから。
好きかと言われるとわからない。
好きという感情がわからない。

パチパチパチ

誰も居ないはずの公園なのに、二人分の拍手の音か聞こえた。

「誰?」