買い物も終わり、アパートへ帰るとーーー
警察がいた。

「え?」

「あ!遥香!」

そこには警察に拘束された母とその彼氏がいた。

「私は麻薬なんてやってないわよね?!」

麻薬なんてやってたんだ。
覚めた目で見る私がいた。

「君は、今吉遥香さんだね?お母さんが麻薬をやっていたことは?」

「知りません」

「知らない?」

「はい。母と、その男は自分達が呼んだとき以外部屋から出てくれなと私に言っていましたから。」

「そうか...君は虐待を受けていたんだよね?」

「そう...なりますね」

「ここの大家さんから、タレコミがあったんだよ。娘さんの方はいい子で同しようもない親のために一生懸命働いているのに暴力を受けているってね」

「そうだったんですか...」

「これからどうするんだい?施設に入るなら手配しよう」

「とりあえず今日は友人の家に泊まります。それから考えます」

「そうかい。それでは、我々は失礼致します」

「はい」

「遥香!はるかぁぁぁぁ!」

狂ったように叫ぶ母を私は冷たい目で見つめた。やはり、この時も私の瞳にはなんの感情もなかっただろう。

「食材...どうしよう」

少し迷った末、一度家に帰り少ない荷物をまとめ、アパートの契約書を引っ張り出して一階に住む大家さんを訪ねた。