フゥーと息を吐いて、かじかんできた手を温める。
白いもやが晴れた時、ふと腕時計が目についた。
時計の針は14時57分を指している。
友人との待ち合わせは、15時。
この大通り沿いにあるカフェで。
「わ、あとちょっと」
時間に厳しい人ではないけれど、待たせちゃいけない……と私はまた足早に歩き始めた。
30メートルほど進むと、目的のお店が見えてきた。
365日ずっと雨風にさらされているため、少し色褪せている「緑色のベンチ」と、そこに座る大きな「テディベア」。
2つの目印を見つけて、私はカフェの中へと入った。