彼はとっさにグフのシールドを身構え、ハンドマシンガンを連射した。

しかし、ガンダムは軽々とそれをかわし、ビームライフルの照準をグフをに合わせる。

次の瞬間、
まばゆい閃光と共に、ビームライフルから放たれたビーム粒子がグフを貫いた。


『あれが連邦軍の白い悪魔の正体か。最後にあんなとんでもないのに当たるとはな・・・・。』


彼のグフは爆散した。
しかしその時、神は一つの奇跡を起こしていた。

ビームライフルが貫いたのはグフのコクピットの少し上部の位置で、緊急脱出装置が作動し彼自身は爆発による傷を負った物の一命を取りとめていたのだ。

遠ざかる意識の中で彼は故郷の幻影を見ていた。横にはいつも笑顔の絶えない婚約者の姿があった。


コクピットから投げ出され意識を失っていた彼を、ジャブロー基地付近の先住民が発見保護し、その後、連邦軍に引き渡され彼は捕虜として終戦を迎える事となった。


連邦軍とジオン共和国の終戦協定によって、負傷した捕虜は真っ先に解放されジオン本国に送還される事となり、彼はその第一陣の傷病艦に搭乗する事となった。

発進を待つ傷病艦の艦内。
ベットの上で彼は再び婚約者に手紙を書いていた。

内容はジャブロー攻略作戦前夜に書いていた物と同じである。故郷に帰ったら小さな教会で結婚式を挙げようと。


彼のついた
最初で最後の嘘は
本当になった・・・。