そんな目で見ないでっ!

子供達がいなくなると、浜辺はすっかり静かになった。

人影もない。


「寂しくなっちゃったね」


秋菜が言うと、司はふっと笑みをこぼしながら


「今からが俺らの時間じゃん。」


と言った。

秋菜は急にドキドキしてきて、それを打ち消す様にお弁当を広げ、明るい声を出した。


「お腹ペコペコだよ!
さぁ、食べよ、お弁当」


司はチラッと秋菜を見たが、お弁当に手を伸ばし、卵焼きをつまんだ。


「うまいなー、やっぱおばさんの卵焼きサイコー」


「司って、昔っから卵焼き好きだよね」


そんな司を見て、秋菜はクスクスと笑いながらそう言うと、司は秋菜を見つめながら


「卵焼きより秋菜のが好きだけどな」


と言い笑った。