司が来なくなってから、秋菜は溜息が多くなった。

自分でも気付かない間にも溜息をついているようで、度々友利に指摘された。


「喧嘩でもした?」


友利が心配そうに秋菜を見ていたので


「してないよ、喧嘩なんて。
それにあいつ、テスト中だから会ってないし」


と、笑顔を作りながら言うと、友利はニヤッと笑った。


「ふーん。だからか。
ダーリンに会えないから寂しくて溜息出ちゃうわけだ。
乙女だねー、秋菜」


「違うよ!そんなわけないじゃん!
ほら、うちらもテスト期間じゃん、だからだよ」

「そんなにムキになるなんて、ホント秋菜は可愛いよ」


友利は楽しそうに笑いながら、秋菜の頭を撫でた。

からかわれた様で恥ずかしくなり、秋菜は頬をぷくっと膨らまし俯いた。