俯いて歩く秋菜に


「なぁ、そんなに恥ずかしい？」


と司が尋ねると、秋菜は真っ赤な顔をして


「恥ずかしいに決まってんじゃん…
絶対からかわれるよ」


と呟いた。


「俺が中学生だから？」


「今日の司は中学生には見えないけど、あたし、彼氏とかいないのに、司と手繋いで帰ってたなんて知れたら絶対聞かれるし騒がれるもん」


中学生に見えない、その言葉に司は思わずガッツポーズを取った。

そして、秋菜の手をグイッと引いて体を引き寄せると、ピッタリとくっつくようにして歩き出した。

離れようとしたが、肩を抱かれていて離れられなかったので、秋菜は顔を隠すように俯いて歩いた。


「なぁ？寄り道してかねぇ？」


そんな秋菜を尻目に、司は楽しそうにそう言うと、家とは反対方向に歩き出した。