「言いたい事ってそれだけ?
だったらもうどっか行ってくんない?」


司はそう言うと校門に視線を移した。


「ちょっ、何?」


さくらがムスッとして言うと、司はチラッとさくらを見て


「あんたに言われなくても秋菜の性格なら俺の方が知ってるっつーの。
そんでもいいっつー位惚れてんの。
あんたに何言われてもぐらつく事もない位な」


と笑った。


「もっと言うと、俺、あんたみたいなのが一番嫌い。
あんた、ダチいねーだろ?
ま、秋菜ならあんたみたいなのでも信じる位お人よしだけどさ」


司がそう言うと、さくらは顔を真っ赤にして


「余計なお世話だよ」


と言い残し走り去っていった。


「言い過ぎたかな…」


司は少しだけ後悔したが、あれでも言い足りない位だった。

さくらは走りながら


「あいつ、マジで欲しくなった」


と呟いていた。