「あの男の子、さくらの好みのお顔なのー。
秋菜ちゃんの、彼氏じゃないならー、わたし、頑張ってもいいー?」


クリンと首を傾げて、甘えたように秋菜を見ながらさくらがそんな事を言い出した。

秋菜が驚いた顔をしていると、話を聞いていた友利が口を挟んだ。


「あー、無理無理。
あいつ、秋菜一筋な中坊だから。
さくらがどんなに頑張っても絶対なびかないから」


いつになく冷たい言い方で、秋菜は驚いて二人の顔を見た。

友利はさくらを冷たい目で見ていた。

さくらはいつものうるうる攻撃はせず、怒りと取れる目で友利を見ていた。

しかしすぐに秋菜の視線に気付き、目をうるうるとさせ


「ひどいー…
そこまで言うことないのに…」


と言うと、お弁当を片付け教室を出て行った。


「ちょっと」


秋菜が友利に言うと、友利は怖い顔で秋菜を見て


「さくらは前科があるんだよ」


と、来るしそうに言った。