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───サァー……


生あたたかい風が肌にやさしくあたる。


目の前では、薄いピンク色の景色が広がる。


長い長いくるしい冬をこえて、
あたたかい季節がやってきた。






「おはよー」

「おはよっ」


制服を着た何人もの生徒たちが
ともだちとあいさつを交わす。


「にっしーおはよぉ」


俺の姿をみつけて、
ともだち感覚であいさつをしてくる生徒。


「おはよう。今日も元気だな」

「元気だけが取り柄っすからね」


そう言いながら
まえのほうにともだちをみつけたのか、
俺を追いこして
ともだちに駆けよっていくうしろ姿を
ボーッとながめる。


俺も彼たちとおなじ歳くらいのときは
あんなにキラキラしていただろうか。