“特進クラス”。
わたしの高校では、8クラス中、1組が特進クラスとされている。
1年のときはそのような制度はなかったけど、2年はそう決められている。1年の学年末テスト上位30人が対象となるのだ。
わたしは半分より下の順位で、2~8組のどれかになることは分かりきっていた。ちなみに4組である。
そしてまた、特進クラスに入ることが分かりきっていた人物がいる。
それは──遥斗だ。
遥斗はこの高校に主席で入学して、入学式のときには新入生代表のあいさつもしていた。
それからずっと1位の成績をキープしている。
キープどころか、2位を大きく引き離したぶっちぎりの1位だ。
どのテストも99点や98点など、満点に近い点数ばかり。満点をとっていたテストも何教科もあった。
え、どうしてそんなに詳しいのかって?
それはもちろん……わたしは遥斗の幼なじみだから。
毎回テストの成績を、見せてもらっていたんだ。
わたしが見せて見せてー!!とうるさく言っていたからだけど。
……ほんとはあのときもわたしのこと、うっとうしいと思っていたのかも……そうにちがいない。
「はあ…」
そんな考えに陥り、歯磨きを終え教室に戻ったわたしはついため息がこぼれる。
明るさだけが、取り柄なのに。
「なにため息ついてんだよ!らしくねーな!」
歯磨きセットをしまっていると、竜が隣から急に現れていつもの調子で話しかけてきた。



