冷たい幼なじみが好きなんです



今日はなんだか、いつもの放課後よりも濃い時間を過ごした気がする。


久しぶりのカラオケはすごく楽しかったし、竜とふたりですごい面白かったし、竜と気まずくならないまま、嬉しい気持ちを知ることができたし。

気まずくならないのも、素直に嬉しいと思えるのも、全部竜のおかげだ。

竜がそうしてくれているんだ。

わたしはもしかしたら、竜のことを好きになったほうが、この先の未来は明るいのかもしれない……。

だけど、竜の気持ちを考えると、曖昧な態度をとってはいけないと思う。

竜はほんとにわたしのことをよく思ってくれているみたいだから、心に遥斗がいるまま竜に甘えるなんて、してはいけないことだよね。

明日からも、竜は特別な友達として仲良くしよう。


そんなことを頭のなかで考えながら、寄り道せずにまっすぐに帰路へとついた。