「いきなりかしこまんなよ!恥ずいだろ!!」
バッと体を起こして笑いを含んだ口調で突っ込まれた。
「だ、だって」
どうしていいかわからない。わたしは恋愛経験ゼロ女だし、まさか竜がまだわたしのことを好きだなんて思いもしなかったから。そんな素振り、少しもなかったのに。でも、優香はああ言ってたから…やっぱりわたしがスーパー鈍感なだけなのか。
「笑が俺のこと友達としてしか見てねーことくらい、知ってるっつーの!だから気まずい顔すんなよ」
「う、うん」
竜がそういうなら、わたしはいつも通りのわたしでいるのが一番いいよね…。
「好きっつーか、なんだろーなー、まあやっぱり特別だな、笑のこと。でも、どうにかして付き合いたいとか、そんなんじゃねえんだよ。そりゃあ笑が俺のこと好きになってくれたらすっげーうれしいけどさ、今の関係で十分っつーか。笑が俺に笑いかけてくれたら、もうそれだけで満たされ……って、恥ずいこと言わせんな馬鹿!!」
ハッと我に返ったように、自分がペラペラ喋り出したくせに怒られた。竜の耳は少し赤くなってる。
「ちょ、…今のはわたしも照れた」
そんなふうに思ってくれてたなんて……。
素直にうれしくて心が温かくなった。



