「う、うん!?大丈夫だよ!」
元気よく答えて、笑顔を作る。
いけない、悲しい顔なんて、わたしらしくない!友達といるときくらい、笑顔でいなきゃ!
「…ほんとに?笑ちゃん、最近たまにふと悲しそうにしてるから…心配になる」
優しい優香。優香のその言葉だけで、癒される。心がほっと温かくなった。
「わたしと笑ちゃんは今年同じクラスになったばかりでまだ深い仲にはなれてないかもしれないけど…悩んでることがあったら、いつでも相談に乗るからね」
そんな嬉しいことを真正面から言ってくれる天使のような優香と友達になれて、わたしはほんとうに運がよかった。
「優香、ありがとう」
優香に相談してみようかなと思った。
「今日の放課後、聞いてくれる?」
わたしがそう尋ねると、優香はうれしそうに「うん」と頷いて微笑んだ。
はやく放課後にならないかなと思った。
「笑ちゃん、この真ん中の蛇口、あんまり流れないね」
「う、うん。そうだね」
わたしと遥斗の思い出。
どうか、流れてしまわないで。



