──ゴールデンウィーク明け、思わぬことが起こった。


二宮と笑のあいだでなにかあったみたいだ。


笑にはなしを聞くと、二宮に「ずっと嫌いだった」と言われた、と。


俺ははあ?と思った。

んなわけねーだろ。

二宮はあきらかに笑が好きなんだぞ。

だが俺はそれを言わなかった。

俺もそこまでお人好しじゃない。

笑が悲しい思いをするのは心苦しかったが、二宮に協力してやろうとは正直思わなかった。


二宮は笑にひどいことを言った上に………なぜか相田と付き合いはじめていた。

笑が好きだと思っていたのは、俺の思い過ごしだったのか。


──思い過ごしではなかったことを、俺は笑の家にあがったときに確信した。


独占欲丸出しで、感情むき出しの二宮を見て、俺はこう思った。


こいつ、すっげーおもろいやつじゃん。

全然クールじゃねえじゃん。

笑のこと、死ぬほど好きじゃねえか。


じゃあなんで相田と付き合ってんだ?ますますわかんねえ。


つーか、いくらなんでも俺のこと敵対視しすぎじゃねえ?


そういえば、この二人がおかしくなったのってゴールデンウィーク明けからだったよな。

あの日笑に話を聞いたとき、もしかして自分が原因かもしれないと少し思った。


例えば二宮が俺が告白しているところを目撃していて、不満を持って笑に八つ当たりしたとか。