この先を聞きたいような、聞きたくないような……わたしの胸まで、ぎゅっと苦しくつかまれたような気がした。
『今さらなに言ってんだ?それならどうして嫌いなんて言ったんだ──』
『──好きだからに決まってんだろ……ッ!』
………………え……っ……?
やはり、完全に思考が追い付いていかない。
竜と話しているのは、ほんとうに遥斗なのだろうか。
遥斗は今、なんて───。
『俺はお前なんかよりずっとずっと笑のことが好きなんだよ…っ!俺にとって笑は、たった一人の大切な女の子なんだよ…。嫌いだって無理矢理思い込む以外、笑への気持ち忘れる方法ねーだろ……!』
水面の中にいたのは───
わたしだけじゃなかった。
震えが止まらなかった。
今度は、別の意味で。
嬉しいとか、驚くとか、そんなありきたりな言葉じゃなくて。
遥斗と今まで過ごしてきたすべてが──
──一瞬で、わたしのなかに戻ってきたんだ。



