百合ちゃんはなにを思ってかわたしと遥斗の仲を誤解し、焼却炉の前で泣き叫ばれたこともあったが、あれからなにも言われていないから、きっと誤解は解けたのだろう。
これまでの人生は遥斗に甘えてばかりいたから、これからは、もっとちゃんとしっかりした人間にならなきゃ。
遥斗がいなくても、わたしは大丈夫だと、わたしならできると、今日も優香や竜たちと、笑い合うんだ──。
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午後の授業は、五時間目が日本史で、六時間目が体育の水泳だ。
午前中四時間とも体を動かしたため、日本史の授業は眠くて眠くて仕方なかった。
もし寝てたら起こして!と隣の席の優香に協力してもらい、なんとか五時間目は寝ずに済んだ。
そして今から、プールの更衣室に向かわなければならない。
最後の授業が水泳だなんて、正直いってダルすぎる。
今日のクロールのタイムは全員いつもより下がるにちがいない。
休憩10分間のあいだに、着替えを済ませプールの前に整列しなければならないのも鬼だ。
男子は今日体育館でバスケだからそこまで急いでいないけど、女子は全員あわただしく教室からグラウンドにあるプールの更衣室へと猛ダッシュした。