冷たい幼なじみが好きなんです



「わたしと遥斗は、なんでもな…」


なんでもないって。むしろ最悪な仲だって。説明しようとしたけれど。


「あなたの顔なんて、見たくもない……!もうあっちへ行ってよ……!!」


その言葉にわたしは震えそうになる足をなんとか立ち上げて、焼却炉へゴミを放り込み、その場から急いで走り去った。


ドッドッドッドッドッ…


心臓は嫌に鳴り響いていた。


わけがわからなかった。

どうしてあんなことを言われたの……?

考えるのも嫌になった。

もう、考えたくない。

なにも考えたくない。

すべてから逃げるように、真っ直ぐに帰路へとついた──。


家に着いたわたしは、自分の部屋に入りすぐさま布団に潜り込んだ。


なんだか頭が痛い。


元気だけが、取り柄のはずなのに。

明るさだけが、取り柄のはずなのに。


今のわたしは明るい気持ちなんて、欠片もなかった。


百合ちゃんの泣き叫ぶように言われた言葉が脳内にこびりつき、ガラスは胸に刺さったまま………

気づけばそのまま眠りへとついていた──。