冷たい幼なじみが好きなんです



「お前は二宮くんと一緒に装飾したかっただけだろ!!教室でイチャイチャしてんじゃねえよ!!」


「ただ話してただけで…イチャイチャなんて…」


これ、は……。


………百合ちゃん、だ。


百合ちゃんの声にそっくりだし、二宮くんって言ったら遥斗のことだし、きっと間違いない…。


百合ちゃん、クラスの女子3人に…言いがかりつけられてる…?

3対1なんて信じられない。

完全なる嫌がらせだ。

完全なる百合ちゃんへのひがみだ…!!


わたしは木の影に隠れて………

「せんせーい!ゴミって全部捨てていいんですよねー!?」

自前のありったけの大きい声で角の向こう向けて叫んだ。


「っやば、行こ…!!」


わたしの架空の先生を呼ぶ大きな声に思惑通り驚いた3人組は、逃げるように角から出て来て、焼却炉から遠ざかるように走り去っていった…。


木の影から出たわたしは、軽く呼吸を整えて…角の向こうに、顔を出した。


思った通り…言いがかりをつけられているのは、百合ちゃんだった。


百合ちゃんは壁にもたれて、地面に視線を落としていた。