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今日もあっという間に放課後になり、なにも用事がないわたしはすぐに家に帰ることにした。


「笑ちゃんばいばいっ!」


優香は右手にボールペンを持ち、左手を小さく振りながら席を立ちカバンを肩にかけたわたしに言った。

優香は今日日直で、日誌を書いている最中なのだ。


「うん、また明日!…あ、優香、ゴミ捨て行こうか?」


ふと隅に置いてあるゴミ箱にたくさんゴミが溜まっているのが目に入った。

日直は、ゴミが溜まったら、放課後に焼却炉に持っていく役割があるのだ。


「え、いいよ、わたしするよ~」


「持ってく持ってく!どうせ暇だし!」


わたしは言いながらゴミを片付けはじめた。ゴミ袋をゴミ箱から取り出して、きつくしばる。新しい袋をかけて…っと。

いつも優香にはお世話になりっぱなしだもん。これくらいわたしも役に立ちたい!


「笑ちゃんありがとう~!」


「全然いいよっ。それじゃあばいばーいっ!」


「うん、また明日ね~!」


わたしは右手にカバン、左手にゴミ袋を持って教室をあとにし、その足で焼却炉へと向かった。