もうすぐじめじめとした梅雨が終わりを告げる。
太陽が照りつける夏本番まで、あと少し。
わたしの高校では、1ヶ月後、夏休みが始まる前に、体育祭が行われる。
ガヤガヤとにぎわう教室。
今、四時間目のホームルームの時間を使って、体育祭の種目や役割を決めている最中だ。
「じゃあいくぞ~!?ジャーンケーン!ポンッ!」
だれもがみんな希望の種目や役割をできるわけではなく、被ったら恨みっこなしのジャンケンだ。
わたしと優香と竜は“応援団”になりたくて、「次、応援団になりたい人ー!」という教壇に立つ委員長の声に勢いよく手を上げた。
枠は10人。
立候補したのは15人で、5人脱落してしまうという事態になってしまった。
委員長と、その15人でジャンケンすることに。
わたしも優香も竜も運がよくて、見事15人の枠に入ることができた。
わたしたち、ラッキー!!
竜はまあ仲のいい男子がほかにいるけれど、わたしはやっぱり優香と一緒じゃなきゃ、楽しい体育祭も楽しくなくなっちゃうもん。
ほかにも仲いい子はもちろんたくさんいるけれど、優香がいちばんっ!
種目は、綱引きと、棒とりと、100メートル走に出場することになった。
100メートル走出るほどは足速くないんだけど、みんなが出たくない!ていうから半強制的になぜかわたしが出ることに…。まあリレーじゃないから全然いい!リレーだと責任重大だもん。
委員長の進行がスムーズなおかげもあって、クラスみんな役割と種目をすぐに決めることができた。