ねえ、きみがすき



「わかった〜。じゃあまた明日ね」


「うん、またね」



ひらひらと手を振って帰っていく優花の後ろ姿を見送ったあと、来た道をもう1度進んだ。




「…あ、あったあった」



自分の机の中を覗くと白のカバーがつけられたスマホがあった。



さてと、帰ろ。


優花と帰るなら必要ないと思ってかばんに入れていたイヤホンを取り出しながら教室を出て、下駄箱へと向かおうと足を進めた時。



「…ピアノの音がする」



教室から音楽室までは結構離れているし、音なんて聞こえないはずなんだけど……おかしいな。



それによく耳を澄ましてみれば、聞こえるのは音楽室がある方向じゃない。



──誰が弾いてるんだろう。


何だかそれがすごく気になって、見てみたくて、音のする方へ導かれるように進んでいく。