ねえ、きみがすき




あれ?でもよく考えたら、耳が聞こえない状態で授業を受けるってどうするんだろ。


先生の言ってること分かんないよね。

大丈夫なんだろうか…



やがてSHRが終わって休憩を挟んで授業が始まったけど、どうやらあたしの心配は特別必要なかったみたいだった。





「瑚羽〜、帰ろ?」


「うん」



例の転入生もとい、西浦くんが転入してきて早1週間。


彼は1週間の間に1日は早退、それからもう1日は遅刻をしてきた。


それでも予想通り、あっという間に有名人になった。


耳が少し弱いことを知ってる子たちは、基本話しかけるとかじゃなくて遠巻きに見てることが多い。


だけど、同学年以外であまり関わりのない下級生、上級生は話しかけては無理されたと勘違いしてる人を何度か見た。


それに対してちょっとした罵声を浴びせる人もいれば、それがクールだとまた騒いでる子もいるみたい。



そしてはあたしは未だにまだ、彼が誰かと会話をしているところを見たことがない。


もちろん話せないことはわかってるんだけどそうじゃなくて、筆談でさえも、ない。