「…どうせ、転校でもなんでもして、あたしを綾達に守らせるんでしょう?」








「さーすが和佳菜!話がわかってありがたいわ」

琢磨がパチパチと拍手をあたしに向けた。

「あーもう!これだから嫌なの。あそこには話をしにいくだけ。そして出来るだけ早く打開策見つけて、関わらないようにするのよ。もうこれ以上荒れた人たちと関わるのは嫌。絶対に転校もしないから」

関わらないようにする為に行くことを琢磨はどこか勘違いしていたらしい。

本当に困る。

「和佳菜の気持ちは分かるけど、今のままじゃ和佳菜が危険な目に合うんだよ」


昌さんが諭すように言うけど。


「まだ合ってないでしょ」

それでも、嫌なものは嫌!

「合ってからじゃ遅いんだよ」

「知らないわよ、そんなの。あたしは悪くないでしょう。なんであたしが犠牲を払わなくてはならないのよ」

なんでまた、 “あの人” の影に。


怯えて生活しなければならないの?


「…和佳菜……」


「もう、懲り懲りなの。あたしを置いて逃げたあの影から逃げたくて、国を出て、今の隣街に来たのに。いつまであたしはあの人に怯えなきゃいけないの?」

やっと安心した生活が手に入ると、そう信じていた。


それは、あたしの間違いだったと言いたいのだろうか。