蒼の花と荒れる野獣

「最近、随分とこの街が荒れてきている」

「あまり変わらないように、思うんだけど」

「いや、獅獣のやつも俺らの昔の仲間も何人か襲われてるらしい」

「あ、それ俺も聞いたことある。俺らの族だけじゃなくて、ここら辺一帯の族のやつらみんな襲われてるらしーよ」

千歳にいちゃんも手を挙げて、そう言う。

あたしは関わってなかったから、分からなかったけど、ほかのみんなも各々で情報を入れてるようだった。

「なんで変わってるの」

翔真も、どことなく勘づいているのか。


どこが、ではなく、どうしてと聞いた。

「…琢磨ならわかってるんでしょ?」


いや、あたしもなんとなくわかるけど……。


あれでしょ?今日も大荒れだったあの人。

「まあ、今のbeastが暴れているのもあるが、1番は、マフィアの侵入があるから、だ」

予想外の言葉に、驚き以外になにも思いつかない。


マフィア……。


「それってもしかして」






「…わたしのせい……?」