蒼の花と荒れる野獣



目の前に座った琢磨に、気になっていたことを聞く。

「ねえ、琢磨。Beastさんにボコボコにやられていた人。どうなるの?」

血だらけで、見るも哀れなあの人。


彼を助けたかったわけではないけど、気にはなる。


「さあな、しらん」


鼻で笑った琢磨はそう答えた。


「知らんって」


無責任な。


「あれは、あいつらのシマだ。あいつらがどうにかするさ」

それは、そうなんだろうけど。


「というか、それよりも!和佳菜ちゃん、あの喧嘩見たの?」

翔真が震えながら聞いてきたんだけど、なんのことかさっぱりわからない。