*○・☆*…*※☆♪*○☆*…*※☆☆♪*○☆*…☆♪*○





「…だいぶ落ちたけど、クリーニング出さないとだね」


あたしのブラウスを丁寧に擦りながら、昌さんはそう言った。


「そんなに大変?」


隣でぼんやりとその光景を眺めていただけのあたしがわかるはずがなく。


他人事のように聞くしかなかった。


茶色っぽい、黒く濁った血は何度も流れていったけれど。


それでも落ちないというのは、時間が経ってしまったからかもしれない。


「そりゃね、人の血だからね。なかなか落ちないのが現状かな。すぐにクリーニングに出したいんだけど、……明日も学校あるよね」


あたしの予想とは反対のことを言ったけれど、こうやって昌さんと会話するのも随分と久しぶりで楽しかった。

「平気。1日2日休んだって、どうってことないわよ」

「……そっか、そうだね。和佳菜ちゃんは、本当は高校生やらなくてもいいもんね」


でもね、昌さん。


そんな顔してほしいとは言ったことないよ。



言いたくても、喉がつっかえて言葉にならない。


平気だよ、大丈夫だよ。


言いたいのに、息を吸った途端に苦しくなって、結局出てやくれはしない。