「…琢磨さん、ですよね?」
「そうだよ?獅獣の16代目のWolf でいいんだよね?」
「は、はい。初めまして、12代目の方と会うのは初めてっすかね」
「そうだな。年があんま近くねえからな。仕方ねえっちゃ仕方ねえんだけど。お前ら、最近活気があったのにのをまたぶり返させちまったらしいじゃねえか」
「…ちょっと予想してなかった事態が起こりまして」
「まあ、なんとなく昌から聞いてる。お姫様、ほんとどこ行ったんだろうなあ」
あたしの知らない話をついていけなくなる。
お姫様って誰なんだろう。
というか、この2人。
今知り合ったばかりなのに、なんでこんなに親しいの?
初対面なことを感じさせないくらい話が弾んでいるように思う。
「俺らも全力で探してはいるんすけど、まあ思慮深く、疑り深く、完璧な計画を立てる人なんで、なかなか見つからなくて」
「そうか、まあ確かに、あの姫さまらしいと言えば、らしいんじゃねえか?」
「そうっすね。そこがbeastも気に入ってたんで」
beastのお気に入り?
あの暴れん坊将軍に、お気に入りなんていたの?
ますますわからない。



