ふうっと一息ため息をついた。

ママも乗り込んで、車は動き始める。

ずっとあたしの事を考えて居て。

そうして、あたしを。


早く好きになればいいのに。


「何ため息をついてるの?」

「んー?何もないのよ」

結局聞けなかったな。

意気地なし。

仁がどうしてラブホテルに女の子と2人で入っていったのか、話題さえも出せなかった。

本当に意気地なし。


モヤモヤはいつか消えて、あたしを早く楽にして欲しい。

時間があたしの嫌な記憶を消してくれるのなら。




あたしは何も考えないで生きていきたい。