「お前は、俺と一緒にいたいと思わねえのか?」

彼はまだ名残惜しそうだ。

不安そうにあたしに手を伸ばす。

一緒に居たいわよ、それは。

貴方はあたしのトクベツ。

いつまでもあたしの心の側にいて。

そして、あたしを。


「好きになって」

貴方の心は、あたしのものになんて、なってないと思うけど。


あたしは貴方の虜よ。


「は?今お前なんて」


「じゃあね、仁。帰国するときは連絡するから、よろしく」

「はっ?あのなあ」


「バイバイ」

そう言って、車に乗り込んだ。

仁に何も言わせないまま。