「お前はこれでいいんだな?」

「いいの。あたし、少しも後悔してないもの」

貴方が戻って欲しいと言ったって、あたしが言った言葉は取り消しなんて不可能でしょう?

戻りたいのは本当。

だけど、その時が今であって欲しいわけではない。

わかるかな?

わからないかもしれないわね。

だけど、いつかわかって欲しい。

そんな気持ちも、あるのだと。


「戻ってくるんだよな?」

「戻りたいとは思う。ママの判断にもよるけど」

そしてまた向き直って、今度はママに問う。


「永住しなくてもいい?」


ママは、はっはっはっはと大きな口を開けて笑うと。

「いいに決まってるじゃない」

いつものにこやかな笑みを見せた。

「ママも、いつかは日本にも拠点を起きたいと考えているからね。また、来ましょう」